2月の空と8月の空がもしも同じであったなら、憂鬱な2月も少しは陽気に過ごせるのに、と個人的には思うのだ。そうすれば無理矢理にバレンタインデーなんてものを作るということもなかったのかもしれない。「8月」という名前のプラグを2月にリリースすることもなかったのかもしれない。
「August」(オーガスト)つまり「8月」という名のこのプラグは、ダート&フラッシュが特徴的なダーターである。
いわゆるフラットサイドのダーターとは、そのサイドがフラットではなく波を打っている分一味違う。若干お尻下がりの斜め浮きで、更には正面から見て右、もしくは左に傾いて浮く。
この浮き姿勢が変わり種。姿勢が不安定なせいで、水中に没した時にヒラを打ち易い。
これすなわちフラッシングが容易ということだ。しかも波打つサイドによってそのフラッシングは複雑。水中でのキラリンッは御存知のように魚のリアクションを誘うのだ。
しかしこれは何も派手に光れば良いというのではなく、クリアな水域では地味なフラッシングも有効である。また、おそらくは振動であったり、見る角度による形状の変化も関係していると、勝手に推測している。それは例えばプレーンな塗装であっても、ナイトという状況下であってもこのプラグが優位に働くことがあるからだ。
とは言え、視覚的に、光るということを強調したくもなる。そんなわけでオリジナルの鱗模様のホロシートを作った。
これは従来の極薄のものや、切り込みを入れたものとはまるで違うコンセプトのシート。アルミにホロを箔押ししたような仕組みになっていて、曲面にも沿い易く、切れ目がない。
ゼマティスのギターみたいな、その上少し和洋折衷な雰囲気がイメージソース。
もちろん気泡をはらんだジャーク時のサウンドも特徴的。また、ロッド操作によってはピンポイントでのアクションもこなす。
あくまで個人的に、ダーターは夏、特に8月というイメージがある。それはこのプラグを頻繁にテストしていた時期でもあって、50upがこれで上がったのもその頃だった。それに、調べてみると「August」には別の意味があった。「堂々たる, 荘厳な, 尊い」だそう。そんな意味も込めて。
オリジナルフック「Dos Cactus」
今回よりフックはオリジナルフック「Dos Cactus」を装着。オーソドックスなストレートで化学研磨されたWフックである。ポイントは従来のマスタッドに比べ格段に鋭さを増し、取れなかった魚が取れる仕様。