ダーター?ライブリー?ペンシル?・・・多彩な顔を持つプラグである。ゆっくりタダ引きすれば、テール部を持ち上げモンロー・ウォーク、また、トゥイッチによって180°テーブル・ターンやキックバックなど、そのキャラクターは「くじらフェ」同様。違いは、小さい分、少しきびきびとしていてどこかコミカルであるところ。サイズによるマジックは使い分けの十分な理由にはなる。単純なスケールダウンではないので、似て非なる特性あり。
2008年バージョンは「くじらフェ」と同じく、ステンレス製(0.5mm厚)のいわゆるチン・ガードが付いてマイナーチェンジが施されている。これによりヒートンの締め込みによるコーティングの損傷、割れやすかったリップ部の破損を防止。さらに使い易くなって、表情に雰囲気が増した。
実に6年ぶりのリリース!
そもそも、いわゆる「関東サイズ」を意識したのがこのプラグを作るきっかけだった。(とは言え、この大きさはもはやそれほどは小さくないのかもしれない)ただし、ワンサイズ小さくするということはただ単純にスケールダウンするだけではうまくない。そういう部分におもしろさがある。
例えば、短いけれども太さは同じくらいでないと、ビジュアル的にもアクション的にもバランスが悪いなどと言うことが多々ある。サイズ違いのプラグ作りにはそういう発見があって楽しい。名だたるスタンダード・プラグに必ずと言っていいほどサイズ展開があるのは、そういうこともモチベーションのひとつなのだろうと思う。もちろん、サイズによる釣れ方の違いと言うのは明らかにあるわけで、それが開発理由であるのは間違いのないところではあるが・・・。
そういうことから言うと、小さいプラグが釣れる状況は関東に限ったことではない、と近頃思う。関西にだってそういう状況はあるし、関東にだって大きいプラグがいい場合もあるでしょう。メキシコの魚がいくら大きいからと言って、ルアーが大きければ「釣れる」というものでもない。少し小ぶりな方がいい場合もあるのです。
まあ、とにかく、サイズ展開には面白味もあるし、使い勝手もあって意味もあるのだ、ということ。あまりにミニチュアになってしまうと、津波ルアーズの範疇外となってしまうことはあるかもしれないが・・・。
「いるかフェ」というネーミングはもちろん「くじらフェ」のダウンサイズバージョンということである。「フェ」は「カオリフェ」とか「イカフェ」なる韓国料理に由来する。「フェ」とは韓国語で「刺身」の意。つまり、「刺身」転じて「生々しい」と言うわけ。